詩の日めくり 二〇二二年六月一日─三十一日/田中宏輔
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二〇二二年六月十九日 「壁の中」
1作目は、シオドア・R・コグスウェルの「壁の中」町が周囲を壁で覆われている。壁のなかでは魔法が使える。少年は自分でグライダーを作って壁の上に昇る。壁のうえで監視者である先生に見つかる。これからは壁の外で魔法の使えない世界で生きるのだと言われる。外には少年の父親が待っていた。これも読んだことがあった。『世界SF全集』の第32巻・短編集・現代篇に入っていたものだった。タイトルだけでは思い出せなかったのだが、読むと、タイトルどおりの作品だったので、自分の記憶していないものが、この本にまだあるかもしれないと思った。
2作目は、ドナルド・A
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