そいつの日本語/チャオ
け。
だから、撤去に来たやつらも日本語がしゃべれるもんだと思ってるんだ。
結局、そいつは「仲好しこよし」っていってれば、万事うまくいくことに気がついた。
べつにだましてるわけじゃないんだ。
ただ、生き残るために最善を尽くしているだけのこと。
でも、急にそいつはしゃべらなくなった。
「仲好しこよし」以外の言葉は知らなかったし
その言葉がいえなくなるときが来たんだ。
そしたら、そいつのことをみんなが無視し始めた。
だから、また「仲好しこよし」ってしゃべることにしたんだ。
そしたら、また生活に困らなくなった。
だけど、前よりも、「仲好しこよし」っていうたびに心が沈む
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