ない夏/山犬切
いだ
ああこのメリトクラシー! ボディーは傷だらけだ うんざりだ いっそ盛大に割れた薔薇窓の破片が散らばる聖堂で陽射しが差すなかゲームオーバーの死を迎える終わりがきてほしい
…俺はこんなにも閉じている 政治家や病院は笑うだろうか
びくりと身体が痙攣する
腐れ縁の友人と居酒屋に行き、他愛もない話をしつつ空豆を箸でつまむ
夏に空豆を食べるなんて贅沢だ だけど
ビールを呷り思う
この世界に人間と呼べる人間は少ない
ちょうど砂肝を食べていたが、何故だか俺のこころはそれに親和や親近を感じた
俺は人の群れの中、雲丹や蛸のように 砂浜でべっとりと赤い皮膚に砂のついた軟体生物のように気味悪く
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