blooming underground/ホロウ・シカエルボク
 
ってデフォルトというものがなかった、ぐにゃぐにゃと、うねうねと、蛇の形をしたスライムのように、あちこちに、流れ込んだり紛れ込んだり絡まったりしては、色々なものを巻き込んで、汚れ、洗われ、変形してきた、だがしかし、そいつが求めている形なんてひとつもなかったし、俺もかなり前からそのことを知っていた…俺の真実を誰に語ることが出来る?それは俺にだって語ることが出来ないものだ、世界の中に、かすかに、かすかに、鳴り続けている、小さな、囁き声のようなノイズ、目が覚めれば覚めるほどはっきりと聞こえてくるんだ―俺のことを狂人だって言うのかい?俺は狂ってなんかないさ、俺は狂ってなんかないんだ、ただ、狂おうがどうしよう
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