詩の日めくり 二〇二〇年十月一日─三十一日/田中宏輔
 
る。女に見る目がなかったという話。

 24作目は、「自動車を待たせて」公園に淑女が坐っている。男が近づいた。話をする。淑女が立ち去った。ただの勤め人だと自己紹介していた男は後をつける。淑女だと思われていた女性はウエイトレスで、男のほうが有閑階級の人間だとさいごにわかる。


二〇二〇年十月十日 「都会の敗北」


 25作目は、「都会の敗北」上流階級の娘と結婚した田舎出の弁護士。都会で知り合い、都会で結婚した二人。田舎から手紙が来る。二人は田舎に行く。都会で洗練された娘に、田舎がどう思われるか、青年はびくつく。しかし、娘は、ひとりの人間と結婚したのだという思いをする。ほっとする青
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