古傷が痛むことはないでしょう/あらい
 
もの。
 お粗末様でした。
 ただねばっこい砕氷とはずんだ灰に覆われる未開の地のみずみずしさといったらもう一生、か弱い女王様の馴れ初めは形に一通り ふるく、及ばずながら、ひとりぼっちの小惑星の真っ赤なぬくもりと空騒ぎに至って 清潔であれ風情と成し、風力刑の彫師による木目と安定する体躯と知ったら。

 とにもかくにも痩せこけた歴史とものぐさにたくましさを稽(とど)める。

 適材は硬い蕾のような高級感もうらなり、白骨絡み合う演技であることはもうバライティーに富んで、空世辞の迷路として歪んでいる顔立ちが、声色張り裂ける行進曲であり、いざ昨日のことのようにでっちあげる生命のパノラマのひ
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