リスキーな夜の話/ホロウ・シカエルボク
闇、散り散りになって
ちっぽけな逡巡を嘲笑い
睡魔に弛んだ
色褪せた脳髄の
目を瞑るに任せる
アウトサイド、口内の苦い
苦い苦い傷を噛んで
喉笛に忍び込む
血液を記録した
午前一時、始まりに終わる
騙し討ちは
固く小さな虫のように
枕元に転がって
思わずの短い声が漏れるが
それには何の意味もなかった
朝になるまでにもっと
もっと明確な血が吹くだろと
差出人の不明な
簡潔な手紙
爪をギザギザに噛んで
返事の代わりにした
明け方には呻き声になりたい
生きてると知らせられるから
そして、あぁ、そうなのだと
気づいて起きることが出来るから
春の日の乾涸びた
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