詩の日めくり 二〇二〇年二月一日─三十一日/田中宏輔
もしかしたらゲイの男の子なのかなって思ったけれど、ぼくは食事を終えると、そそくさと帰った。別の日に、その青年がイズミヤの2階から3階に上るあいだの階段の踊り場のベンチにひとりで坐っていたけれど、そのベンチの横にゲイのおじさんらしきひとが立っていた。ああ、この青年のこと狙ってるんだなあって思った。待ち子をしているこの青年もゲイだったんだなって思った。スーパー「イズミヤ」ゲイはどこでも発展場にするんだなって思った。その青年とは、一条寺商店街でもう一度、道で出会ったけれど、そのときは、その青年は友だちといっしょだったから、話しかけることができなかった。めっちゃタイプの青年だったけれど。ぼくが30代で、そ
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