詩の日めくり 二〇二〇年二月一日─三十一日/田中宏輔
 
とき、藤吉さんの膝をさわったんだって。気持ち悪かったって伝えておいてって言われたよ。」ってメールしたら、ぼくのメールの書き方が冷たかったって。もう絶交だということで、いま、シンちゃんとは絶交状態になっているのであった。15年も友人関係をつづけていたのにね。なんだかなあって感じ。ぼくのメールの内容って冷たかったかな。要点だけ伝えたんだけど。15年の友情も、ささいなことで壊れるのだなって思った。シンちゃんは、近所のマンションの4階に住んでいて、その部屋から見下ろせる中学校の校庭のポジションが微妙に審美的だった。角度というか、形がね。15年まえに、それまでいた東京から京都に引っ越してきて、「西にいけばよ
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