詩の日めくり 二〇二〇年二月一日─三十一日/田中宏輔
 
ばよい。」という啓示を受けて京都に来たらしく、京都に来て、発展場である千本日活というポルノ映画館で、ぼくとはじめて出会ったのだけれど、「出会えてよかった。」と言っていたのにね。シンちゃんは熊本出身者で18歳になったときに東京に行ったらしくて、東京では7年ほどいたらしくて、そのときの思い出を書いてよと、ぼくが言って、書いてもらった紙をハサミで切り刻んで、セロテープでくっつけていってコラージュしてできたものが、ぼくの最高傑作「マールボロ。」だった。大切な友だちを一通のメールで失うなんて思いもしなかった。




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