詩の日めくり 二〇二〇年二月一日─三十一日/田中宏輔
ンニク臭い息を吐きかけながら、「あつすけやろ?」というので、ぼくは見覚えがなかったけれど、こういうことはときどきあって、中学や高校のときの同級生だったりすることがあったので、「そうやで。」と返事した。向こうはうれしそうだったけれど、中年の醜い男から声をかけられて、ぼくは不満だったので、それ以上返事をしなかった。ぼくは西院で降りるのだが、その男は烏丸で降りてくれたので、ほっとした。部屋に戻って、その男の顔をようく思い出して過去にかかわった人物を思い浮かべたら、思い出した。ごっつあんだった。高校のときの同級生で、後藤という名字の友だちだった。野球部だったのに、プログレを聞くような変わった男の子だった。
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