詩の日めくり 二〇二〇年二月一日─三十一日/田中宏輔
 
電話したら、ようやく出てくれたってわけ。かわいい男の子だった。23歳だと言っていた。付き合いたかったのだけれど、その子は、一回限りでよかったんだろうね。でも、勤め先の自衛隊の電話番号と本名を教えてくれたのは謎だ。ベッドのうえで、睦言をつぶやいていたときのことだからだったのかな。かわいい男の子だった。一回限りだけど、友だちが言ってた。一回だからいいんだよって。そんなの、さびしいな。でも、ほんとのことなのかもしれない。


二〇二〇年二月二十七日 「ごっつあん」


 日知庵からの帰り、阪急電車に乗り込んだら、見知らぬ男から声をかけられた。「あつすけ?」餃子でも食べてきたのだろうか、ニンニ
[次のページ]
戻る   Point(13)