詩の日めくり 二〇二〇年一月一日─三十一日/田中宏輔
いかなる行動も営為も思(し)惟(い)も、ひたすら人を生により深くまきこむためにのみあるのだ。
(フィリップ・K・ディック『あなたをつくります』7、佐藤龍雄訳)
そもそも苦しむことなく生きようとするそのこと自体に一つの完全な矛盾があるのだ、と言ってもよいくらいである。
(ショーペンハウアー『意思と表象としての世界』第一巻・第十六節、西尾幹二訳)
二〇二〇年一月十五日 「りょう城さん」
りょう城さんから、詩集『しあわせなはいじん』を送っていただいた。大方の詩篇の詩句が短いもので、ひじょうに読みやすかった。読みやすいのには、論理に無理がないためというのも
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