詩の日めくり 二〇二〇年一月一日─三十一日/田中宏輔
のもあると思う。無理なアクロバティックなところがないぶん、読みやすかったのでは、と思われる。
二〇二〇年一月十六日 「もっとも古い記憶」
もっとも古い記憶は、幼稚園の月謝を落として失くして父親に叱られた記憶だ。ずいぶんきつく叱られたと思う。いまのぼくから見て、とても理不尽なことだと思う。幼稚園生くらいの子どもなら、しっかりしているはずがないからだ。それとも、ふつうのひとは幼稚園生くらいのときでも、しっかりしているのだろうか?
二〇二〇年一月十七日 「はじめて自分でレコードを買ったのは」
はじめて自分でレコードを買ったのは、中学1年生のときのことだった。ポ
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