詩の日めくり 二〇二〇年一月一日─三十一日/田中宏輔
SMクラブの仕事に出かけているあいだ、部屋にひとり残されたぼくは、『ムルム』の1冊を読みながら、オナニーをした。部屋に戻ってきたフトシくんに正直にそう話をしたら、その夜は、ふたりのあいだにセックスはなかった。ぼくが23歳ころで、フトシくんが21歳のときの思い出だ。
二〇二〇年一月三十日 「断章」
苦悩はいとも永い一つの瞬間である。
(ワイルド『獄中記』田部重治訳)
創造する者が生まれ出るために、苦悩と多くの変身が必要なのである。
(ニーチェ『ツァラトゥストラ』第二部、手塚富雄訳)
苦しみは焦点を現在にしぼり、懸命な闘いを要求する。
(カミュ『手帖』第四部、高畠
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