詩の日めくり 二〇二〇年一月一日─三十一日/田中宏輔
 
たのだ。「ダイスを転がせ」のシングルだった。


二〇二〇年一月十九日 「花屋のおじさん」


 四条烏丸から烏丸御池に行く途中に花屋さんがあって、その花屋さんに花を運んでいたおじさんがかわいらしかった。40歳くらいだろうか。ぽっちゃりさんで、眼鏡をして、頭がすこし禿げてたところが、とくにかわいらしかった。


二〇二〇年一月二十日 「100まで数えるように」


 小学校の低学年のときには、宮川町というところに住んでいた。花街で面影はいまでもあると思う。父親が苦労人で、お金を儲けて、そこから抜け出せたのだけれど、幼いときには長屋に住んでいた。そのころ家にお風呂がなかったの
[次のページ]
戻る   Point(13)