亡者の先導、沸点のブラッド/ホロウ・シカエルボク
 
たつ以上の現象によって構成されたものであるのなら、選ばれるべきなのではないのかと、人はきっと考えてしまうだろう、だから俺はどちらも選ばないことにした、点滅は点滅のままで、そうするに任せておくのが一番いい、いつからかそう信じて生きるようになった、もとより真実など、どちらかなんていう安直な選択肢でその手に出来るような代物ではないはずさ、雨雲は濁流に飲まれたみたいに歪みながらちぎれ、もう思い出せなくなった昨夜の夢のような断片になってやがて消えた、久しぶりに見る太陽の眩しさは可能な限り速度を落として再生されている核爆発のようだった、連続する爆発の中で懸命に呼吸をしながら人生を繋いでいる、詩人がその日に書き
[次のページ]
戻る   Point(0)