亡者の先導、沸点のブラッド/ホロウ・シカエルボク
書き残すものはすべてそいつ自身の魂の痕跡だ、明日には掻き消えると分かっていながら、明日には掻き消えると分かっていながら、それは書き綴られる、そうして魂を更新していかなければ、明日どころか今日の価値すらありはしない、爆発の最中に生まれた、爆発の最中に生まれた、そうして、爆発の最中に生きている、爆炎は視覚と嗅覚を奪い、爆音は聴覚を潰す、現在地点を見失いたくないのならばそこに自分自身を刻みつけるしかない、ほんのひととき、一生は瞬きの内に終わる、ならばこそ、すべての意味を飛び越えるために、境界線の上に言葉の煉瓦を積み上げる、束の間の夢だって言うんだろ?だからって他にどうしろっていうんだ、鮮やかな夢なら目覚めた後だって記憶に噛みついてることだってままあるんだぜ、死霊のように空を彷徨う俺そのものの幻を、置き去られたように見上げている一二時間、幻なんて所詮嘘っぱちさ、この俺自身の真実は、この俺自身の頭蓋骨の中でしか蠢いちゃいないんだ。
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