亡者の先導、沸点のブラッド/ホロウ・シカエルボク
 
歪み、だったら、俺の中にだって俺自身の幽霊が居るだろう、俺の中には小さなころから死が存在していた、きっと、生まれてすぐに何度も死にかけたせいだろう、俺は常に死を見つめていたのさ、おそらくは哺乳瓶を突っ込まれて吸っているころからね、これはいつか終わる、国語算数理科社会が黒板を通り過ぎていく時間、いつだってそんなことを考えていた、あのころ、俺にとって現在とはすでに過去だった、終わるものとして認識されただけの過去だった、仮にそれが小さな、蓋のついたボックスだったとしたら、開けたときにそこに転がっているのは萎んだ俺の心臓だったはずさ、黒板の向こうにいつかは終わるものばかりを見ていた、そしてそれはどんな努力
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