未だ、その血飛沫は。/ホロウ・シカエルボク
にも行けなくさせるだけのことさ、きちがいの回転数を上回る意識の動き、それを模索し続けなければ一気に飲み込まれてしまう、本当の暗闇は自分自身をも見えなくさせてしまう、出口の造られていない迷路だ、俺は最後の壁の前で出口の作り方を模索しているわけさ、足跡なんて残らないんだ、若くして死んだ歌うたいが昔そんなことを言ってた、俺にはその意味がよくわかったよ、あいつも胸の中に怪物を飼っていたのさ―明かりを消した夜の中ではいろいろなものが誤魔化される、だけど目を閉じてしまえば惑わされることはない、お前にはわかるだろうか、俺がなにを話そうとしているのか、俺がなんのために、こんなことを続けているのか…人生とは連続する
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