詩の日めくり 二〇一九年七月一日─三十一日/田中宏輔
きしたいのは
形というもののイデアなのです」
「ですから、その形が何であるかを
ある形についてのもののイデアなら存在しますよ」
「そうではなく、形式や形という語彙について
その語意の対象となるもののイデアなのです」
「そんなものはありません」
「ええっ?」
ある形のイデアを
幾何学でいうところの定義としてしか認識できないぼくには
チンプンカンプンであった。
二〇一九年七月十九日 「詩句」
その言葉は、周囲のあらゆる言葉の意味を変えながら旋回していたのだった。
二〇一九年七月二十日 「教室」
教室が半分水につ
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