樹氷のシナプス、そして降り積もる囁き/ホロウ・シカエルボク
 
かな、たったひとりで見つめてきたもの、たったひとりで飲み込んできたものを、つい口にしてしまうひとりごとみたいに垂れ流してしまうんじゃないのかな、もしも理由みたいなものがあるのだとしたら俺にはそうとしか考えられない、本当はすべての生きものはただ生まれてきただけで、そこに理由なんて全くないかもしれない、だけど別に、スタートラインに引いてあった白線の白さを、後生大事に抱えて歩く必要なんてまるでないじゃないか…静寂がたくさん散らばっている、昔よりもそれは多くなった気がする、情熱は日常に溶け込み、必要以上に燃えることはなくなった、それはいいことだよ、冷静に見つめることが出来るからね…熱さなんていっときのこと
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