樹氷のシナプス、そして降り積もる囁き/ホロウ・シカエルボク
 
はいないだろう、すべての出来事は塗り潰されるために更新され続ける、それが、たとえ、もう誰も思い出すことがないような場所であってもさ…それは動き続けているんだ―どこまでを言葉にすればいいんだろう?俺は死角にあるものの声を聞き過ぎる、どうしたってそれは聞こえてくるものなんだ、そして、もっと確かにとらえようと耳を澄ましてしまう…そうしているうちに内訳が変わってくる、それを言葉にするために、それを言葉にするたびに…誰かのための詩など書けない、俺は俺の人生しか生きていないから、その途中にあるもののことしか書くことは出来ない、だけど、本来そういうものだから、いつだって誰かがなにかを書こうとするんじゃないのかな
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