樹氷のシナプス、そして降り積もる囁き/ホロウ・シカエルボク
目をやる、氷漬けには程遠い、そりゃそうだ、当り前だ、少なくとも俺は発掘されたくなどない、死んだままの死、死のままで継続される死、まるで打ち捨てられた廃墟だ、死に続けるうちに、別の生きものになってしまう…剥げ落ちたコンクリの隙間に、引き摺り出され、床に垂れ下がった配線に、下手な蜘蛛の巣のようにひび割れたガラス窓に、俺の寝床が用意されているのかもしれない、俺のノートブックが打ち捨てられているのかもしれない…汗だくになり、虫に食われ、凍え、震えながら、感触とはまるで違う人生を生きるのは滑稽だろうか、でも俺にはだからこそそうする意味があるように思えるんだ、少なくともそこには、ほかのどんな価値も存在してはい
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