詩の日めくり 二〇一八年八月一日─三十一日/田中宏輔
しか収められていないようだったので、不思議だ。たしかに以前に読んだ作品だった。もう少し調べてみるかな。
ネットで調べても、ぼくの本棚にある、岩波文庫の『20世紀イギリス短篇集』上下巻、エラリー・クイーン編『犯罪文学傑作選』を見ても、デュ・モーリアの「笠貝」は目次になかった。おかしい。たしかに読んだはずなのに。日知庵に行くまでの時間、さらに調べてみよう。
原題の「The Limpet」で検索した。早川書房の異色作家短篇集の第10巻、ダフネ・デュ・モーリアの短篇集『破局』のさいごに収録されていた、邦題「あおがい」が、そうだった。まったく異なる邦題なので、すぐに探せなかったのである。読ん
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)