詩の日めくり 二〇一八年八月一日─三十一日/田中宏輔
 
ー・アッカーマンが入ってなかったら買わなかっただろう。でも、見知らぬよい作家に遭遇するかもしれない。

 いま日知庵から帰った。きょうも、お酒と、これから読むデュ・モーリアのすてきな短篇集『人形』で一日が終わる。文学、あってよかった芸術分野だな。ぼくは不器用だから楽器もへただったし、絵もへただったし、詩以外にできることなんて、ひとつもない。その詩も、ぼくが無名のせいで、しゅんとしてる。


二〇一八年八月二十七日 「弟」


 うとうとして昼寝をしてしまった。弟の夢を見ていた。弟がかわいらしい子どものときの夢だ。大人になって、発狂して、精神病になってしまって、顔も醜くなってしまっ
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