演者たち――眼差しの接吻/ただのみきや
けろ
報いを受けるのだ
自らの終りの一行
予定調和を超越して美しくもない
詩である死の必然として
詩作はすべて刑罰の
習作であり戯れの遺書ではなかったのか
あきらめよ
詩人に逃れる術はない
主義も主張もただの脇役だった
愛も家族もトラウマも
詩への贄 記号へと変えてしまった
だがわれらは灰
記号から引き剥がされて
死の門口の暗いくびれを滑り落ちる
そこにもう夢想はない
立ち上がる音も意も
なにひとつつながらず
耐え切れないほど静かな
永劫――詩人の末路
スナップショット
ニット帽から眼鏡まで真っ白い髪を晒し
女は坂道――背丈
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