詩の日めくり 二〇一八年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
集『ページをめくれば』のつづきを読みながら寝る。といっても、まだ冒頭の作品のさいしょしか読んでいない。


二〇一八年四月二十三日 「猿」


 猿がブランコをこぎながら、うんこをしている。いや、違うかな。猿がうんこをしながら、ブランコをこいでいる。これも違うかな。ブランコが揺れながら、猿とうんこを、ぼろぼろと落っことしている。これかな。ヴィジョンが浮かんだかな。やっぱ、こういうのはヴィジョンが大事なのよね、ヴィジョンが。


二〇一八年四月二十四日 「ぼく」


 ぼくはブランコをこぎながら、うんこをしている。いや、違う。ぼくはうんこをしながら、ブランコをこいでいる。これ
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