It's absolutely impossible./ホロウ・シカエルボク
 
だ、安穏とした毎日の中で掴むものなどたかが知れている、ぼんやりとしているとすべてが弛んでしまうぜ、好きものの目をして混沌の中に潜り込み、蹲り、怯え、抗いながら、遺伝子に組み込まれる新しい構成には沸騰の感触がある、そこには、他のどんなものにも代えがたい快楽がある、知るための痛みにはそんなものが隠れている、求めるものは初めからそこにあった、だから俺は他のものには目もくれなかった、利口さや利便さを人生に求めなかった、人生なんて虚しくて当り前のものなのさ、だから、その中ですべてを享受したところでなにも得られはしないんだ―一見、殺風景な無遠慮な通りでも、歩いていれば必ず道標は目に入るものさ、もしもいまの俺に
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