北方派五分楽団/板谷みきょう
 
からだ

出演に際しては
交通費の他に楽団員一人々々の
弁当と飲み物をお願いし
出演交渉をした

地方のイベントに
早朝列車を利用して行く六名は
ダウン症の二名と
身体障碍者一名と
知的障碍者三名とだった

携帯電話を持っている団員と
連絡を取りながらのある時のこと
列車に乗ってから
判らないことがあったらしく
車掌に尋ねた処
「職員は同行してないのか。」と
詰問され返答に困ってると
電話がかかって来た。

何度目かの食い違いの
遣り取りの後、車掌曰く

「何かあった時は、誰が責任を取るんですか。」

『ワタシが取りますが…。』

その時の
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