指さす先になにもない/ただのみきや
 
ワビ
        そして青々としたマゾヒズムの丘で
        固い自己否定の誓約のもと
        投石機に結わえつけられた恥部が無数の
        キャッチ・コピーのタグを付けられて
        刺し違える的もなく生乾きのまま
        行きずりの快楽的憐憫を浴びていた
        青い全身骨格は標本になれない
        宇宙が剥がされても標本にはなれない
        真を夢として放逐した
        したたるモノクロの青


人形に内包された時間
彗星になれなかった時間
生垣を潜り抜けて父性をチラつかせる時間
わたし
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