指さす先になにもない/ただのみきや
陽気な死者の祭り
瞑ったままの目配せ
破綻したイズムと奇譚のリズム
きのう改革印のハーブをくゆらせて
麦酒を飲んでいた男の鍵は
階段を踏み外して過去へといってしまった
それでも生臭いその尖塔に
プロジェクション・マッピングされている
太陽/月の暗喩 スフィンクス的沈黙
キスそして鈍器
行方知れずの女の顔
青い光の檻で飼われていた
兎たちは皆ウイルスに感染した
浮腫んだ思考 油膜の世界
モザイクを外せない情操教育で
吊るされる心臓
片言の痙攣
乾
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