悪い飲みかたの話/ホロウ・シカエルボク
 
面を照らしているだけだった、そんなこともあって俺はただの割れたボトルを持った少々飲み過ぎた酔っ払いだった、俺はあてもなくふらふらと歩いた、ただ自分の部屋から遠ざかりたいだけだった、時が過ぎ、夜が更け、すれ違う人間がどこかへつまんで投げ捨てられたみたいにがくんと減って、気持ちはようやく落ち着いてきた、あの部屋に戻りたくないな、と俺は憂鬱な気持ちになった、あいつは今頃喋りやんでいるかもしれない、そして天国の階段を上っているころかもしれない、脳味噌をぶちまけて床に転がっているあいつを見て自分がどんなことを考えるのかまるで見当がつかなかった、でもそれはとても怖いことだという気がした、俺はだんだんと人の消え
[次のページ]
戻る   Point(3)