十五歳の呟き/板谷みきょう
 
かもが絵
ざわめく木の葉も流れ行く雲も
みんな絵だ
そして僕は窓の外の本当の景色を知らない


三羽の鳩が空を飛んでいた
いつの間にか
三羽の鳩は空に溶けて
ひとつの雲のかたまりになった


空にひとつしかない
白い雲が流れて行く
じっと見てたら
カラスが雲をパクパク食べてしまった

じっと目をつぶって
回りの音に酔いしれるのにも飽き
目をぱっと開けるとすぐそこに空があった
青空に手を入れた


子供達がシャボン玉を作って遊んでいた
僕は駆けて行ってシャボンを全部割った


妙にけだるい口は何も喋りたがらない
こんな時無理して喋ると誰かの心に
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