十五歳の呟き/板谷みきょう
心に傷がつく
雨上がりの散歩
半分に欠けた月の
もう一方を水たまりに見つけた
僕は月を足で踏みつぶした
空から日の光がいっぱい降ってくる
光を浴びて喜ぶ者には
自分のうしろが日に当たってないのが解らない
色褪せたコスモスの白とピンクが印象的でした
空の涙が雨になって心をすっぽり包む
嘘つきの口が言いました
「さびしいな。」
色褪せたコスモスの白とピンクが印象的でした
あきらめろあきらめろいつも思っているのに
どうしてもあきらめられない
きれいに笑って
あきらめろあきらめろって
丼に満ち溢れている苦い不幸せを
一息に飲み干すと笑顔にもどった
わすれたくない僕は帰りたくて
いつもポケットに
過去行きの切符を忍ばせている
波は遥か水平線の彼方から
大地に向かってやって来て
陸地に当たるとはかなく消える
えんぴつの様な優しさを
僕にください
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