ネジ/草野大悟2
世にある存在すべてが無、という呼称でよばれるようになってしまう。
それだけは、俺がどんなに自分勝手な生命体だとしてもやってはいけないことだと、宇宙の意思に教わっている。
つまり、端的にいうとこういうことだ。
君たち二人を同時に俺の中で眠らせてはならない。
理由は単純だ。
二人は、同種同根の相反する渦巻きだからだ。その性質を保持し、かつ、無数のネジを内包する存在は、自らの独自性を強く主張する。その主張が拒否もしくは無視された時は、自分たちの安住の空間、つまり、俺の中のゼピュロスの風を破壊するとともに、この惑星そのものを消滅させる。自らの存在意義そのものもね。
その先にあるのは
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