ネジ/草野大悟2
 

 君たちは驚くほど似ている。
 似ているくせに真逆だったりするから戸惑うし、そもそも別個の存在だからそれも当然だ、ともおもう。
 二人を並べて比べるんじゃなくて、二人が絡まり合って俺の中にネジの原型をこしらえた、といったほうがしっくりくるのかもしれない。
 二重螺旋のような君たちを俺は、あえて、「君」、という一個の個体として認識しようとつとめている。
「君」、は、この惑星に存在する懐かしいものたちを心の底から慈しむし、時空を忘れてその中に漂うことがとても好きだ。
 さらに驚くべきことに、「君」という存在自体を懐かしいものたちに同化させることさえできる。
 「君」、は、俺のなかを吹
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