火炙りの朝/ホロウ・シカエルボク
 
としたら
そんな愚行に精を出す素質があるということだ
悪ふざけは自分を殺さない程度にやるんだよ
この見極めは非常に難しい
本当に死んでしまったやつも数限りない

詩人は狂気に首輪をつけて
ものの見事に連れ回す
好きものどもが群れ集って
「可愛いですね」とお世辞を言う
俺は狂気にこっそりと
「食い漁れ」と耳打ちする

見てくれよ、こいつが暴れ過ぎるせいで
俺の腕は奇妙な形に捻れてしまっている
ペンを取るのも一苦労だぜ
字を書くのなんてもっての他だ
それでも脂汗をかきながら
ディスプレイを睨んでいるとなんだか笑いがこぼれてくる

ふたつの目と、それから
どこか
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