詩の日めくり 二〇一七年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
を僕は、
包茎の根元に結びつけた。


金子光晴 「そろそろ近いおれの死に」

詩だって? それこそ世迷ひごとさ。


金子光晴 「反対」

人のいやがるものこそ、僕の好物。
とりわけ嫌ひは、気の揃ふといふことだ。


金子光晴 「反対」

ぼくは信じる。反対こそ、人生で
唯一つ立派なことだと。
反対こそ、生きてることだ。
反対こそ、じぶんをつかむことだ。


金子光晴 「短章(二十三篇から)」A

枝と枝が支へる沈黙のほか
からんとして、なんにもない。


金子光晴 「短章(二十三篇から)」E

 健全な白い歯並。こいつが第一だ。ぬれ
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