カオス・アンド・ディスオーダー/ホロウ・シカエルボク
 
いい断末魔だ、だから俺は夏を好きになれない、そんなもの、わざわざ誰かに見せてもらう必要などないのだ、西日を反射しながら、どこかへ向かう飛行機が長い長い足跡を残していく、足跡は永遠には残せない、飛行機雲がいつまでも空にあったら、俺たちはそれを無粋だと感じるだろう、ああ、どんな理屈を重ねようが人生は結局のところ刹那的だ、瞬間の連続に過ぎない、それは堆積ではない、生まれてすぐに消えていく現象の連続だ、だから俺はここに居る、だから俺はここに居る、痛みながら、澱みながら、スピードにとり憑かれて、詩情を嘔吐している、喉の奥に痛みが走るまで、喉の奥に痛みが走るまでさ、それで初めて自分自身に気付くことが出来る、だ
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