カオス・アンド・ディスオーダー/ホロウ・シカエルボク
体に馴染むまで結構な時間がかかった、その間俺は肩で息をしていなければならなかった、ふざけるな、と俺は悪態をついた、ふん、と鼓動は鼻を鳴らした、意外に思えるかもしれないが、本当は自分自身のことだって自分の意のままにはならない、死を避けることが出来ないのと同じように、だから断定などは愚かしい行為だと俺はよく口にしている、真実は不確実で不明瞭な領域にこそある、答えてはならない問、それが真実に関する問だ、イヤホンを耳に突っ込んで、ビッチェズ・ブリューを流し込む、緩やかな、けれど、張り詰めたビートが浸透していく、どうやって語るのか、重要なのはそこだけだと思っていていい、自転車のような速度で雲が流れていく、夏
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