ローカルな回転/空丸
 
場を失っていく


 水平線の上に満月


水平線の上に満月ですか
繰り返される波の音が加わりましたね
この単純な構図は
ぼくを受け入れてくれるだろうか
寂しさは極めつけの優しさなのだろう
染みのように浜辺に座る


 窓を開けると心の時間


窓を開けると雨はあがっており
希望に満ちたファンタジーが本の中にある
世界がどんなに動こうが
思い出は停泊したまま揺れている
風や雨が日常に置かれ
ひび割れた星はぼくを笑わせる
笑うしか術がない
どうやら死ぬようです
いつかこんな一行を創る時がくるのだろう
時計は刻々と忙しいが
単位を持たない心の時間は
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