ローカルな回転/空丸
 
間はたっぷりある


 梅雨明け


夢は見ることができるがこの手につかめない
朝、目の前という距離感に
未来という彼方が立ち塞がる
私は甲高い声でおはようと世間に向かう
現代には奴隷も皇帝もいない 誰がそんなことを信じているのだろうか
梅雨が明けたようだ


 真夜中


時計は朝に向かっている
ぼくは真夜中に留まる
太陽がいない真夜中が好きだ
うちの猫も真夜中が好きだ
暗闇の中で時々見つめ合っている いい時間だ
ベランダに出ると月が出ている
月光さえ眩しい
風が真夜中をすり抜けていく
真夜中はぼくに留まる


 社会の真ん中で遊んだ疲れ
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