かみさま、わたしは海を汚してしまった/ホロウ・シカエルボク
来ないのであれば、それはとても悲しいことのようにわたしには思えます
わたしは頭を下へと入れ替えて、もっと沈んでいく感じにします、そう、なんというか、落ちていく感覚を強くしたかったのです
ぼんやりと見つめながら、ああ、どうして、こんなになにもかもが口を閉ざしている世界で生きていくことが出来なかったのかと、そんなことを思います
そうだね、思えばあなたは、と、わたしは鮫の背中に映った自分自身に話しかけます、あなたはいつでも自分の心で遊んでいるだけだったよね、と
喜びも悲しみも厭世観も焦燥も、すべて、笑いごとにして遊んでいるだけだったよね、と、それから、いいわけをしようとしましたが、鮫が行ってしま
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