かみさま、わたしは海を汚してしまった/ホロウ・シカエルボク
しまったせいで、わたしはなにも言い返すことが出来ませんでした、それは後悔といえばいえるものでしたが、でも、ほどなくどこかへ消え失せてしまう程度のものなのだと思います
なにもすることがない日には、いつも、忘れられた公園の隅の公衆電話の中で受話器を耳に当てていました、お金も入れず、ダイヤルも押さず
そもそも、それが生きているものなのかどうかすらもわたしは知りませんでした
ただただ、冷たくて固い受話器の感触が心地よかっただけなのです、そんなものを気にする人がわたし以外に居るなんて思えませんでしたし
わたしは次第にそれをするために用事を作らないようになりました、だからとてもとても退屈になって、そし
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)