詩の日めくり 二〇一六年二月一日─三十一日/田中宏輔
 
週間1日1時間1分が、ぼくをどう過ごすかの方により興味がある。

 きみの1分は、ぼくの1時間だった。きみの5分は、ぼくの1週間だった。きみの1時間は、ぼくの1か月だった。きみの1日は、ぼくの永遠だった。

愛が永遠だというのは嘘だと知った。永遠が愛だったのだ。

愛については何も知らない。ときには、何も知らないことが愛なのだ。

 愛があると思って生きていると、そこらじゅうに愛が見つかる。愛というものがどんなものか、くわしく知らなくても、ともかく、愛というものが、そこらじゅうにあることはわかるようだ。

 特別な名前というものがある。それは愛と深く結びついた言葉で、その名前を
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