詩の日めくり 二〇一六年二月一日─三十一日/田中宏輔
 
前を思い浮かべるだけで、胸が熱くなる。その熱で楽に呼吸することができないくらいに。

Nobuyuki。歯磨き。紙飛行機。

 きみは最高に素敵だった。もうこれ以上、きみのことを書くことは、ぼくにはできない。

 2年のあいだ、付き合ってた。きみはアメリカに留学してたから、いっしょにいたのは数か月だったけど。なにもかもが輝いていた。その輝きはそのときだけのものだった。それでいいのだと、齢をとって悟った。そのときだけでよかったのだ。その輝きは。そのときだけのものだったから輝いていたのだ。


二〇一六年二月二十三日 「われわれはつねに間違っている。たとえ正しいときでさえも。」

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