詩の日めくり 二〇一六年一月一日─三十一日/田中宏輔
 
きみの唇になり
きみのすべてになるまで
チラチラと
チラチラと
きみの身体が点滅している
グラスについた汗
テレビの走査線のよう
よい詩を読むと
寿命が長くなるのか短くなるのか
どっちかだと思うけど
どっちでもないかもしれないけど
この間
バカみたいな顔をしてお茶をいれてた
玉露はいい
玉露はいいね

ジミーちゃんと言い合いながら

詩人殺人事件
って
どうよ!

詩の鉱脈を発見した詩人がいた
その鉱脈を発見した詩人は
ほんものの詩を書くことができるのだ
ところがその詩の鉱脈を発見した詩人が殺されてしまった
半世紀ほど前の話だ
容疑者は谷川俊
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