詩の日めくり 二〇一六年一月一日─三十一日/田中宏輔
 
とのきっかけにはなるので。ツェランの詩集は、もう借りることはないだろうな。ぜんぜん刺激的じゃないもの。


二〇一六年一月二十五日 「ある特別なH」


「ある特別な一日」から「一一一」を引いたら、「ある特別なH」になる。


二〇一六年一月二十六日 「ぼくは嘘を愛する。」


 ぼくは嘘を愛する。それが小さな嘘であっても、大きな嘘であっても、ぼくは嘘を愛する。それがぼくにとってもどうでもいい嘘でも、ぼくを故意に傷つけるための嘘であっても、ぼくは嘘を愛する。嘘だけが隠されている真実を暴くからだ。


二〇一六年一月二十七日 「詩人殺人事件」


ひとつの声がきみ
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