詩の日めくり 二〇一六年一月一日─三十一日/田中宏輔
のぼくが戻ってくることはなかった。意地悪な感じで含み笑をして「見ない方がいいよ」と言った夢のなかのぼくは、意識領域のぼくと違って、ぼく自身にやさしさを示さないのがわかったけれど、いったん意識領域のぼくが目覚めたら、二度と無意識領域には戻らないんだね。その日のうちには。ふたたび眠りにつくことがなければ。
二〇一六年一月十九日 「吉田くん」
吉田くんを蒸発皿のうえにのせ、アルコールランプに火をつけて熱して、蒸発させる。
二〇一六年一月二十日 「胎児の物語」
めっちゃ、すごいアイデちゃう?
そうですか?
書き方によるんとちゃいます?
ううん。
西院の「印
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